
- 寸法
- 61.278 × 50.17 cm
- 技法・素材
- キャンバスに油彩
- 所蔵
- ダラス美術館(テキサス州ダラス)
Dorothy
1900年
✦ 見どころ(技法・色彩)
「ア・ラ・プリマ」と呼ばれる、絵の具を直接キャンバスに置く技法が使われています。エプロンドレスの折り目は一本のグレーの筆跡で描かれ、近づくと粗く見えますが、離れると光と影が融合して立体感が生まれます。
✦ この絵の舞台
ロンドンのタイト・ストリートにあるサージェントのアトリエ。アンティークのシルクや中国製の屏風、蓄音機やグランドピアノが置かれた豪華な空間で、少女はアトリエに常備されていた独特の肘掛け椅子に座らされています。
✦ 時代背景
1900年の世紀末。ヨーロッパやアメリカの上流階級では、子供を「小さな大人」のように着飾らせ、高名な画家に肖像画を描かせることがステータス・シンボルとなっていました。
大きな羽飾りのついた帽子。
純白のドレスを着た少女が、大きな椅子に座っています。
1900年の世紀末。
子供を小さな大人のように着飾らせて肖像画を描かせることが、上流階級のステータスでした。
サージェントの素早い筆致で描かれたこの絵は、愛らしい少女の完璧な記録に見えます。
でも実は。
描かれた本人にとって、この絵は決して嬉しいものではなかったようです。
モデルは、当時2〜3歳だったドローシー・ウィリアムソン。
彼女の祖父は、ジョージ・ミラー・ウィリアムソン。
近代文学の初版本を集めるアメリカ人コレクターであり、サージェントのパトロンでもありました。
彼が孫娘の肖像画を依頼し、ロンドンのタイト・ストリートにあるアトリエで制作が始まります。
そこは、アンティークのシルクや中国製の屏風が飾られた豪華な空間。
クライアントをもてなすための蓄音機や、グランドピアノも置かれていました。
ドローシーは、アトリエに常備されていた独特の肘掛け椅子に座らされます。
しかし、相手は2〜3歳の幼児です。
サージェントは、動き回る彼女の注意を引きつけるため、必死でした。
オレンジやおもちゃで気を引く。
即興でピアノを弾く。
おどけた唄を歌って、なんとかポーズを維持させようとしました。

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