Salomé (ca. 1897) サロメ
版画

- 寸法
- 33.5 x 24.1 cm(イメージ部分)
- 技法・素材
- カラー・リトグラフ / 織物状の紙
- 所蔵
- ミネアポリス美術館(MIA)等
✦ 見どころ(技法・色彩)
淡いパステルグリーン、珊瑚色、テラコッタの洗練された色彩が、不吉さを排除した調和を生んでいる。アール・ヌーヴォー特有のしなやかなS字型のポーズと、背景のビザンチン風の細密な円形モザイクパターンが、サロメの頭部に聖人のような後光の効果を与えている。
✦ この絵の舞台
古代パレスチナ・ガリラヤ地方を統治した領主ヘロデ・アンティパスの不道徳な宮廷の密室的空間。サロメが義父の前で官能的な踊りを披露し、聖ヨハネの斬首を強要するという流血の悲劇を予感させつつも、彼女自身は自らの内的な情熱と踊りの旋律に深く沈潜している。
✦ 時代背景
19世紀末のヨーロッパでは、急激な近代化に伴い自立した「強い女性」が台頭。男性優位社会の無意識の恐怖が、サロメという「宿命の女」に投影されていた。同時に、精神医学における催眠や無意識の研究がパリの知識層に大きな衝撃を与えていた時代である。

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