Portrait of Paris von Gütersloh (Bildnis Paris von Gütersloh)
制作年
1918
寸法
構図サイズ: 26.0 × 30.3 cm (MoMA所蔵版)
技法・素材
紙にリトグラフ
所蔵
ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、チャゼン美術館など

Portrait of Paris von Gütersloh (Bildnis Paris von Gütersloh)

1918年

肖像画

✦ 見どころ(技法・色彩)

この作品はリトグラフ(石版画)という技法で制作されています。シーレ特有の生命力あふれる鋭い線が、印刷のプロセスを経ても失われることなく保たれています。陰影を滑らかなグラデーションで表現するのではなく、強弱のある線のみで人物の精神的な緊張感を描き出しています。

✦ この絵の舞台

描かれている場所は、ウィーンのヒーツィング地区にあったシーレの最後のスタジオです。この版画では背景の要素は削ぎ落とされていますが、シーレはこのスタジオに多くの著名な被写体を招き入れ、独自の視点で彼らの内面を捉えた肖像画を次々と生み出していました。

✦ 時代背景

1918年は、シーレの最大の師である巨匠グスタフ・クリムトが世を去った年です。シーレは彼を引き継ぐように前衛芸術運動の指導的立場となり、自らの絵画に深い精神性とリアリズムを融合させようと試みていました。同時に、スペイン風邪が猛威を振るった年でもあります。

✦ 鑑賞のための問い

この男の鋭い視線は、何を見据えているように感じますか?

見開かれた大きな目。
こちらを射抜くような、強い視線を向ける男の顔。
無駄な背景は一切なく、ただその表情だけが紙の上に刻まれています。

モデルはパリス・フォン・ギュータースロー。
画家であり小説家でもある、多面的な天才です。

彼は、シーレの才能を誰よりも早く見抜いた人物でした。
1911年にはシーレに関する最初の本格的な研究エッセイを執筆。
生涯にわたって彼を擁護し続けました。

1918年。
ウィーンの美術界は、大きな転換点にありました。
シーレの最大の師であった巨匠、グスタフ・クリムトの死。

クリムトを失った新しい時代。
シーレは前衛芸術運動の指導的立場を引き継ぎます。
自らの芸術に、深い精神性を融合させようと試みていました。

親友でありライバルでもあるギュータースローを描いたこの肖像。
それは、新しい時代における精神的な同盟の証でした。

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エゴン・シーレ

オーストリア

エゴン・シーレEgon Schiele

1890 – 1918

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