Port-Domois, Belle-Isle ポルト=ドモワ、ベル=イル

1887年

印象派海自然
Port-Domois, Belle-Isle
寸法
64.8 × 81.3 cm
技法・素材
油彩、カンヴァス
所蔵
イェール大学美術館
クロード・モネ

フランス

クロード・モネClaude Monet

1840 – 1926

「印象派の父」とも称される、フランスを代表する画家。 自然の風景や水面に反射する光、天候によって絶えず移り変わる情景を、鋭敏な感覚でキャンバスに捉えた作風で広く…

✦ 見どころ(技法・色彩)

岩肌はオレンジ色、琥珀色、緑色の厚いタッチで塗り重ねられ、物質的な質量感を表現しています。対する海は、ブルーから白、エメラルドグリーンへと変化する短い筆触で描かれ、水の動きを捉えています。空を最小限に抑えた高俯瞰構図が、岩と海の対峙を強調しています。

✦ この絵の舞台

ブルターニュ地方の南海岸沖に浮かぶフランス最大の島、ベル=イル=アン=メールの南西部に位置する「ポルト=ドモワ」。大西洋の荒波に長年晒され、鋸の歯のように鋭く切り立った崖や奇岩が連続する険しい地形です。当時は観光化されておらず、孤立した荒涼たる野生の地でした。

✦ 時代背景

1880年代半ば、フランス社会は急速な近代化を遂げていました。その一方で、モネはジヴェルニーなどの穏やかな風景表現から一時的に脱却を図ります。光や大気の新たな表現様式を開拓するため、近代化とは対照的な過酷な景観を求めてフランス各地を旅していました。

✦ 鑑賞のための問い

あなたがこの崖の上に立っていたら、どんな音が聞こえてくるでしょうか?

眼下に広がるのは、荒れ狂う青と緑の海。
鋭く切り立った岩肌に、白い波が容赦なく打ち付けています。

1886年の秋。
クロード・モネは、ブルターニュ地方の沖合に浮かぶ島にいました。
ベル=イル=アン=メール。
その南西部に位置する、ポルト=ドモワの海岸です。

当時、フランス社会は急速な近代化の真っ只中でした。
モネ自身も、ジヴェルニーやセーヌ川の穏やかな風景を描いてきました。
しかし、彼は自らの表現がマンネリに陥ることを恐れていたのです。

新たな表現を求めて。
彼が選んだのは、観光客も寄り付かない孤立した荒涼たる野生の地です。
大西洋の荒波に長年晒され続けたこの海岸。
鋸の歯のように鋭く切り立った崖や奇岩が連続しています。

滞在は冬にまで及びました。
自然の厳しさと対峙する、試練の旅。

画商のポール・デュラン=リュエルには、こう報告しています。
一度に同じモチーフを複数同時に進めている、と。
地中海のような温暖な光景ではありません。
暗く、厳粛で、悲劇的な北の海を捉えようとしていたのです。

この続きは無料登録で読めます

この続き:約369文字

名画と名曲の物語を、無料で読む

Google で続きを読む
または

登録すると利用規約・プライバシーポリシーに同意したものとみなされます

すでに登録済みの方はログイン

あなたのノート

この絵画から感じたことを、美術手帳に残しておきましょう。

ノートを書くには登録が必要です。

無料で登録する

内容に誤りがある場合は こちらからご報告ください

このサイトは reCAPTCHA によって保護されており、Google のプライバシーポリシーと利用規約が適用されます。

音楽とアートが、
あなたを待っている。

芸術の物語を通じて自分だけの世界を広げていこう。
最新記事の更新をメールでお知らせします。

無料登録で読む