The Port of Nice
1881年
印象派海

- 寸法
- 38.1 × 46.36 cm
- 技法・素材
- 油彩、カンヴァス
- 所蔵
- ダラス美術館
好奇の目や冷笑に晒される社会の偏見に対する、静かでしなやかな反逆。船上という隔離された視点から独自の構図を切り拓き、家族と共に芸術を追求し続けた画家の誇りを刻みつけた、光の記録。
✦ 見どころ(技法・色彩)
地平線と空を画面最上部に追いやり、画面の3分の2以上を波打つ水面の描写に割り当てた斬新な構図です。水面には長短や太さの異なる不規則で鋭いタッチが走っています。絵の具の層は非常に薄く、カンヴァスの素地を残すことで、水彩画のような透明感と光の反射を表現しています。
✦ この絵の舞台
1881年から1882年の冬にかけて、モリゾ一家が避寒のために滞在した南仏の港町ニース。当時、鉄道網の発達によりヨーロッパ中の富裕層が集まる国際的な高級保養地として発展していました。港には遊覧船や作業船が行き交い、地中海特有の眩い光に満ちた活気ある情景が広がっていました。
✦ 時代背景
19世紀後半のフランスでは、ブルジョワ階級の女性が屋外で一人で絵筆をとる行為に対し、根強い偏見がありました。野外で写生を行う女性画家は、通行人からの好奇の目や冷笑に晒されることが多く、男性画家のように都市の公共空間を自由に歩き回って制作することは困難な時代でした。

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出典・参考資料
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