Thirty
1937年
✦ 見どころ(技法・色彩)
バウハウス時代の厳格な幾何学から脱却し、生命形態をモチーフとする有機的な抽象へと移行しています。黒と白の背景が交互に配置され、陽画と陰画の反転効果によって視覚的な振動を生み出しています。黒い直線はインクで描かれたようにシャープです。
✦ この絵の舞台
具体的な物理空間の表現はなく、完全な平面分割による構成です。縦5列、横6列の合計30個の不規則な正方形の区画に解体され、それぞれの小窓で異なる細胞や生命の形態が呼吸しているような、独自のミクロ宇宙が舞台となっています。
✦ 時代背景
1937年、ナチスによる前衛芸術への弾圧が最高潮に達していました。ミュンヘンで「退廃芸術展」が開催され、カンディンスキーの作品も多数没収され晒し者にされました。彼はパリへ亡命し、政治的混乱の中で創作を続けました。

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