Friedlich 穏やかな

1930年

友情
Friedlich
寸法
47.5 x 33.0 cm
技法・素材
紙に水彩、インク
所蔵
個人蔵

✦ 見どころ(技法・色彩)

クレーの作品との構造的な並行性が見どころです。平らな水平線から立ち上がり、上部へ扇状に拡張する形や、クレーの描いた羽毛や翼を幾何学的な三角形へと変換しています。また、クレーが先駆的に用いていた絵の具の吹き付け技法(スプレー)を取り入れ、空気のような繊細な青い背景を作り出しました。その上に黒インクの図形が浮遊し、無限の空間性が表現されています。

✦ この絵の舞台

具体的な外界の風景ではなく、隣室で活動していた盟友ポール・クレーが1927年に制作した重要水彩画『Tripelmarionette(トリプルマリオネット)』の絵画的構造との、極めて濃密な「抽象的・絵画的な対話」が舞台空間として設定されています。クレーが描いた輪郭を注意深く参照し、それらを純粋な幾何学的エネルギーへと再構成した空間です。

✦ 時代背景

1930年、カンディンスキーとクレーはデッサウのバウハウスに勤務し、マイスターハウスの隣同士に暮らしていました。二人は午後の紅茶を共に楽しむ親しい隣人でありながら、最高度の知的でプロフェッショナルな競争関係にありました。この幸福な共同生活は、1931年のクレーの離職や、その後のナチスによるバウハウスの閉鎖によって突然の終焉を迎えることになります。

✦ 鑑賞のための問い

あなたが友人に絵を贈るとしたら、どんな色や形を使って気持ちを伝えますか?

薄い黄色の空間に、色鮮やかな三角形が重なり合っています。
下にある水平の線から、上に向かって扇のように広がる幾何学の形。
青い霧のような細かい粒子が、背景にふわりと浮かんでいます。

1930年、ドイツのデッサウ。
カンディンスキーとポール・クレーは、デッサウのバウハウスに勤務し、教員のために設計された宿舎で隣同士に暮らしていました。
午後の紅茶をテラスで共に楽しむ、親しい隣人。
同時に、彼らは最高度の知的でプロフェッショナルな競争相手でもありました。

二人の間には、ある密かな伝統がありました。
1911年の「青騎士」結成以来、互いの誕生日に自作をプレゼントし合っていたのです。
冬が来るたび、彼らは芸術を通じた贈り物を交わしました。

1931年12月4日。
カンディンスキーの65歳の誕生日に、クレーは自らの傑作を贈りました。
1927年に描かれた『Tripelmarionette』という作品です。
カンディンスキーはこれに深く感激しました。

そして迎えた、12月18日。
クレーの誕生日に、カンディンスキーはこの絵を贈りました。
前年の9月にアトリエで描き上げていた水彩画です。
台紙の中央には、彼直筆の特別な献辞が記されていました。

「私の古き、親愛なる友へ」

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