Yellow-Red-Blue
1925年
✦ 見どころ(技法・色彩)
背景の薄い水彩のような絵の具に対し、前景の円や三角形は滑らかで厚みのある油彩で描かれています。線が別の輪郭線を横切るたびに色調が変化する「色彩の転移」が見られます。また、画面に散りばめられた格子模様が、平坦な画面に空間的な歪みと浮遊感を与えています。
✦ この絵の舞台
特定の物理的な風景を描いたものではありません。画家の共感覚と形態心理学に基づき、精神的な小宇宙が描かれています。左側の黄色い四角形は、横から見た人間の頭部やボトル状のプロファイルを示唆しており、見る者の知覚を揺さぶる錯覚視の特性を備えています。
✦ 時代背景
1925年、カンディンスキーが教鞭を執っていたバウハウスは、右翼勢力からの政治的圧迫によりワイマールでの活動を停止し、デッサウへの移転に向けて激しく揺れ動いていました。この不安定な過渡期に、彼は自身の形態理論の体系化を進めていました。

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