
- 寸法
- 50.2 × 64.8 cm
- 技法・素材
- キャンバスに油彩
- 所蔵
- 個人コレクション(スイス)
Nature morte (1er état)
1924年
✦ 見どころ(技法・色彩)
筆跡を一切残さない「平塗り」の技法で、赤、黄、黒、灰、白の色面が計算し尽くされて並置されています。平面的に積み重ねられ交差する長方形のブロックによって空間が構成され、絵画の奥行きは極めて浅く保たれています。有機的な果物の丸みと、直線的な幾何学的フレームの対比が、静的なコンポジションに絶対的な調和と冷徹な知性を与えています。
✦ この絵の舞台
レジェのスタジオの内部に設定された、抽象的なテーブルトップ(卓上)の空間です。現実の写実的な風景ではなく、コップや脚付きの果物皿、洋梨、りんご、葡萄といった伝統的な静物画のモチーフが、精密なモザイクのように規則正しく配置されています。三次元の遠近法を否定した、映画のスクリーンのようにフラットな背景幕の上に展開される、静的で非個人的な世界です。
✦ 時代背景
第一次世界大戦の熱狂と破壊が過ぎ去った1920年代半ばのパリでは、無秩序な表現を排し、構築的で調和の取れた古典的オーダーへと向かう「秩序への回帰」が主流となっていました。レジェも戦後のカオスから秩序への移行を打ち出し、オランダのデ・ステイル運動の構成主義的な美学に共鳴します。建築的なモニュメンタリティと秩序を絵画に確立しようとした時代でした。

出典・参考資料
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