La Jeune fille au bouquet
寸法
65.4 × 50.4 cm
技法・素材
カンヴァスに油彩
所蔵
個人蔵

La Jeune fille au bouquet

1921年


20世紀前半に活躍したフランスの画家、彫刻家、映画監督。キュビスム運動に参画し、人体や自然を円筒形(シリンダー)の組み合わせで構成する独特の様式を確立したことか…

✦ 見どころ(技法・色彩)

人物の腕や胴体、髪の毛が、まるで工場で正確に削り出された金属の円柱や円錐のように描かれています。これは自然の形を幾何学的に捉える考え方を、工業的に解釈した独自の表現です。背景の厳格な格子模様と、手前の力強い人物の対比が、画面に古典絵画のような威厳を与えています。色は黄土色や赤褐色といった大地の色と、金属を思わせる冷たいグレーや青、白に抑えられ、静かな調和が保たれています。

✦ この絵の舞台

舞台はクラシカルな室内空間です。伝統的なヨーロッパの肖像画の形式を踏襲し、花束を胸に抱える人物の姿が描かれています。この作品は、レジェの黄金期を象徴する「室内女性像」の最も早い出発点となる重要な構図を持っています。のちに制作される『花束を持つ二人の女性』や『読書をする女性たち』といった大作へと繋がっていく、画家のキャリアにおいて記念碑的な意味を持つ情景です。

✦ 時代背景

第一次世界大戦の凄惨な塹壕戦と毒ガス被害を生き延びたレジェは、戦後のパリで「秩序への回帰」という潮流に合流しました。戦争がもたらした無秩序と混沌への反動から、ヨーロッパ全体で古典的な調和が求められた時代です。彼はル・コルビュジエらの純粋主義やバウハウスのデザイン合理主義に共鳴し、これまでの過剰な解体から決別して、機械文明の合理的な美と古典的な明晰さを融合させようとしました。

✦ 鑑賞のための問い

金属のように冷たい人物が抱える赤い花束は、あなたにはどんな温かさに見えますか?

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