
- 寸法
- 65 × 54.2 cm
- 技法・素材
- カンヴァスに油彩
- 所蔵
- ギリシャ個人蔵
La Chaise noire
1949年
✦ 見どころ(技法・色彩)
椅子の構造を明確に規定する重厚な黒い骨格と、その背後でパッチワークのように対比される赤、黄、緑などの鮮やかな幾何学的カラーブロックが特徴です。絵具は平滑に塗られており、画家の内面的な表現を排除した、工業用ペンキを想起させる均一で非個人的な美学が徹底されています。
✦ この絵の舞台
本作の舞台は、日常生活の中の静物画の領域です。しかし、そこに描かれた黒い椅子は単なる調度品ではなく、画面全体の構成を支配する強固な幾何学的・彫刻的モニュメントとして君臨しています。1920年代から30年代にかけてフランスで進展したモダニズム・インテリアのデザインとも造形的な親和性を示しています。
✦ 時代背景
1949年、68歳を迎えていたレジェは、南仏ビオットへ定期的に通い、陶芸の制作に深い情熱を傾けていました。絵画、彫刻、都市建築が一体となる「総合芸術」のあり方を模索していた時期であり、最も単純な日常の道具に強固な質量と建築的な実在感を与える実験が繰り返されていました。

出典・参考資料
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