Impression III (Concert) 印象 III(コンサート)

1911年

Impression III (Concert)

画像: Wikimedia Commons / Public Domain

寸法
78.4 cm × 100.6 cm
技法・素材
油彩・カンヴァス
所蔵
レンバッハハウス美術館

目に見える現実の模倣を捨て、音楽が持つ「非物質的で純粋に感情に直接作用する力」を絵画で実現したいという強い渇望。

✦ 見どころ(技法・色彩)

画面右上の黒い塊はグランドピアノの重厚な質量と沈黙を示し、そこから左下へ向かって放射状に広がる巨大な黄色は、空間を満たすトランペットのような鋭い音響エネルギーを可視化している。手前の暗色の弧の連なりは身を乗り出す聴衆の背中であり、左側の白い垂直の帯は、音の波を受け止めるホールの柱(音の柱)として画面の均衡を保っている。

✦ この絵の舞台

1911年1月2日、ドイツ・ミュンヘンの歴史的演奏会場「オデオン座」の大型コンサートホール。ウィーンの前衛作曲家アルノルト・シェーンベルクの室内楽演奏会が行われ、聴衆が前傾姿勢で未知の不協和音に耳を傾けている情景。

✦ 時代背景

20世紀初頭は、アインシュタインの相対性理論や音響記録技術の発展により、目に見える物質の絶対性が崩壊し始めた時代。美術界でも、現実の再現から抽象絵画へと足を踏み入れる臨界点にあり、音楽界ではシェーンベルクが伝統的な主調音階を解体する「自由な無調」を確立していた。

✦ 鑑賞のための問い

あなたには、この黄色の波からどんな楽器の音が聞こえてきますか?

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