Tragödie

1897年

象徴主義ウィーン分離派
Tragödie
寸法
42 × 30.9 cm
技法・素材
紙に鉛筆、黒・白のチョーク、金彩ペイント
所蔵
ウィーン・ミュージアム
グスタフ・クリムト

オーストリア

グスタフ・クリムトGustav Klimt

1862 – 1918

19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したウィーンを代表する象徴主義の画家であり、新しい芸術を模索する「ウィーン分離派」の創設メンバーおよび初代会長。

保守的な芸術体制への決別と、新たな表現への渇望。自らの手で切り拓く新時代への強い決意を、輝く金彩に託した静かなる宣言。

✦ 見どころ(技法・色彩)

灰褐色の紙に黒と白のチョークで描かれた女性の肌と、背景に施された輝く金彩の幾何学的な対比が見どころです。クリムトの作品において、本格的に金彩が構図に組み込まれた極めて初期の例であり、後の「黄金の時代」へとつながる平面装飾性の出発点となりました。

✦ この絵の舞台

古代ギリシア演劇の悲劇の世界観を象徴的に再構築した空間です。画面中央にはミステリアスな女性の胸像が配され、その顔の前には悲劇の仮面がかざされています。背景の帯状装飾には、古代ギリシアの陶器画から着想を得た戦車や逃走する蛇、不吉な使者が描かれ、不可避な運命を視覚化しています。

✦ 時代背景

1897年は、クリムトの生涯において最も激動の年でした。保守的なウィーン芸術家協会との対立が決定打となり、彼は仲間と共に脱退届を提出して「ウィーン分離派」を設立します。伝統的な歴史主義から脱却し、近代前衛芸術へと向かうウィーン・モダニズムの幕開けとなる時代でした。

✦ 鑑賞のための問い

悲劇の仮面の裏側で、この女性はどのような表情をしていると思いますか?

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