La Bilbainita

1917年

肖像画
La Bilbainita
寸法
85 × 59 cm
技法・素材
キャンバスに油彩
所蔵
個人蔵

19世紀末から20世紀初頭にかけて、光の物理的なリアリティを追求し続けたスペインを代表する巨匠。

極度の疲労の中で出会った、生命力あふれる舞踊スターへの熱烈なオマージュ。深い友情で結ばれた彼女の躍動する肉体を通じ、スペインの強烈な光と風土の輝きを永遠に封じ込めた、生きた記録。

✦ 見どころ(技法・色彩)

絵の具をたっぷりと乗せた、肉厚で彫刻的な厚塗りが最大の見どころです。画家は、光が白い衣装のシワや折り目に当たって生まれる強烈な反射を、白や淡いピンク、微妙な青や黄色のトーンを用いて表現しました。カメラが切り取るような一瞬の動きを捉えつつ、写真にはない絵の具の物質的な厚みを生かすことで、舞台上で跳ねる光のエネルギーと人物の生命力を鮮やかに描き出しています。

✦ この絵の舞台

1917年、画家が巨大な壁画制作のために訪れていたセビリアが舞台です。描かれているのは、当時絶大な人気を誇ったバスク人ダンサーのナティビダ・アルバレス。彼女がダンスの最中にふと見せた、誘惑的でコケティッシュな視線と身振りが捉えられています。アンダルシア風の豪奢な白い衣装をまとい、舞台上で躍動する一瞬の姿がキャンバスに封じ込められています。

✦ 時代背景

1910年代のスペインは、ブルジョワジーの台頭とともに余暇やエンターテインメントが近代化していく時代でした。国内外の劇場ではバラエティ歌手やダンサーが活躍し、大衆を魅了していました。一方で画家ソローヤは、アメリカのパトロンからの依頼を受け、スペイン各地の伝統衣装や民俗的アイデンティティを記録する壮大な壁画プロジェクトに取り組んでおり、その過酷な旅の中で本作は生まれました。

✦ 鑑賞のための問い

彼女のコケティッシュな視線の先には、誰が立っていると思いますか?

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