Hall of the Ambassadors, Alhambra, Granada

1909年

光水面
Hall of the Ambassadors, Alhambra, Granada
寸法
104.1 × 81.9 cm
技法・素材
キャンバスに油彩
所蔵
J・ポール・ゲティ美術館(米国カリフォルニア州ロサンゼルス)

19世紀末から20世紀初頭にかけて、光の物理的なリアリティを追求し続けたスペインを代表する巨匠。

社会の暗部を描く重圧からの解放と、純粋な光への渇望。アメリカでの成功で得た自由を胸に、水面で揺らめくイスラム建築の神秘と、光を描く無垢な喜びを封じ込めた永遠の反射像。

✦ 見どころ(技法・色彩)

水面に現れる光の複雑なパターンと、琥珀色の壁面に投影される揺らめきが見どころです。ソローヤは絵の具を厚く塗る技法を用いながらも、驚くほどの水の透明感と流動性を表現しました。空の澄み切った青と水面下の青、日陰の冷たいトーンを正確な補色関係で配置しています。また、写真技術から影響を受けた斜めからの大胆な構図の切り取りが、瞬間の時間をキャンバスに定着させています。

✦ この絵の舞台

スペイン南部アンダルシア地方、グラナダにあるアルハンブラ宮殿の「大使の間」です。中世後期にナスル朝によって建設されたイスラム建築の最高峰であり、かつてスルタンが着座した玉座の間でした。南スペインの猛暑を逃れるため、常に水が流れる通路や日陰が設計されており、光と影、石と水が絶妙に織り交ぜられた空間です。本作では、コマレスの塔が天人花の中庭のプールに逆さに映り込む様子が描かれています。

✦ 時代背景

1909年はソローヤにとって記念碑的な年でした。ニューヨークで開催された個展が歴史的な大成功を収め、アメリカの富裕層から絶大な支持を得ます。彼らはヨーロッパの暗い現実ではなく、輝けるスペインの美を求めました。この成功で財政的自由を得たソローヤは、初期の社会的リアリズムから離れ、純粋な光の探求へと没頭していきます。本作は、そうした画家の美学的転換期に描かれた重要な風景画です。

✦ 鑑賞のための問い

あなたがこの水辺に立っていたら、水の音と風の冷たさをどのように感じますか?

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