Album of Sketches by Katsushika Hokusai and His Disciples Pl.35 (19th century) 北斎及門人画稿帖 第35図

江戸時代
Album of Sketches by Katsushika Hokusai and His Disciples Pl.35 (19th century)
寸法
約 39.1 × 27.1 cm または 39.4 × 26.7 cm
技法・素材
紙本墨画淡彩
所蔵
メトロポリタン美術館

江戸時代後期に活躍した、日本を代表する浮世絵師。 現在の東京都墨田区にあたる地域で生まれ育ち、生涯において90回以上もの引っ越しを繰り返したという型破りな逸話が…

✦ 見どころ(技法・色彩)

昆虫の触角や脚の微細な節、羽の網目模様が、極細の均一な墨線で克明に描き分けられています。色彩は画面全体を塗り潰すのではなく、代赭や朱などの天然絵具を水で極めて薄く溶いた淡彩として施されています。紙の白い余白を光や空気感として活かし、墨の主線を引き立てることで、平面的でありながら高い立体感を生み出しています。

✦ この絵の舞台

江戸近郊(隅田川周辺や本所・深川の武家屋敷の庭、農村など)の日常的な自然環境が舞台として想定されています。特定の観光地や名所ではなく、都市と地続きにある身近な自然の中で、昆虫たちが息づくミクロの世界が広がっています。当時の江戸の人々が愛した園芸や虫聴きといった、自然と親しむ生活空間が背景にあります。

✦ 時代背景

19世紀の日本では、博物学(本草学)の実証主義的な研究が隆盛を極めていました。西洋の解剖図や精密な植物図譜が蘭学を介して流入する中、単に様式化された花鳥画を描くのではなく、対象の解剖学的・生態的な真実を捉える写生が重視されるようになりました。このような科学的探求心と絵画芸術の融合が背景にあります。

✦ 鑑賞のための問い

どの昆虫の動きが一番本物らしく見えますか?

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