
- 寸法
- 39.4 × 26.7 cm
- 技法・素材
- 紙本墨画淡彩
- 所蔵
- メトロポリタン美術館
Album of Sketches by Katsushika Hokusai and His Disciples Pl.42 (19th century)
ジャポニスム江戸時代
✦ 見どころ(技法・色彩)
筆と墨、淡い色彩を用いて直接紙に描かれた肉筆画です。鳥の羽毛の質感を表現するため、墨の水分を極限まで抑えてかすれさせる「渇筆」の技法が使われています。版画の均一な線では失われてしまう、絵師の細やかな息遣いや筆圧の強弱がそのまま残されており、墨の濃淡と最小限の彩色が生命の瑞々しさを引き立てています。
✦ この絵の舞台
青い麻の葉模様と赤い霞が交差する、装飾的で抽象的な空間が舞台です。特定の風景や実在の場所を示す地面や空の境界線は描かれていません。鳥たちは現実の風景から切り離され、幾何学的な模様と鮮やかな色彩が織りなすデザインの世界に配置されています。対象の姿を純粋に観察し、図案として洗練させるための空間構成と言えます。
✦ 時代背景
19世紀前半の江戸時代後期、老中・水野忠邦による天保の改革が断行されました。奢侈禁止令により、浮世絵の主流であった役者絵や美人画が厳しく弾圧されます。この政治的抑圧に対し、北斎をはじめとする絵師たちは、検閲を避けやすい花鳥画や風景画、弟子を育成するための絵手本へと創作の主軸を移し、芸術の純粋性を追求しました。

出典・参考資料
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