The Flagellation of Our Lord Jesus Christ 主イエス・キリストの鞭打ち
1880年
喪失自画像

- 寸法
- 309 x 212 cm
- 技法・素材
- キャンバスに油彩
- 所蔵
- ラ・ロシェル美術館
✦ 見どころ(技法・色彩)
キリストの崩れ落ちるような身体は白く無垢な輝きを放ち、執行人たちの浅黒い筋肉と激しいコントラストを描き出しています。画面全体のトーンを抑えながらも、執行人の腰布などに赤色のアクセントを分散配置し、観る者の視線を中央のキリストへと循環させる工夫が施されています。
✦ この絵の舞台
新約聖書の受難のエピソードに描かれる、ユダヤ総督ポンティオ・ピラトの官邸内、もしくはその牢獄の中庭です。中央には重厚な石造りの「鞭打ちの円柱」がそびえ立ち、周囲を暗い冷徹な石壁が囲んでいます。地上のあらゆる救いから隔絶された、暴力の執行のための限定的な空間が描かれています。
✦ 時代背景
1880年前後は、ブグローの私生活において暗黒の悲劇が続いた時期でした。1875年に15歳の長男ジョルジュを、1877年に妻ネリーを相次いで失います。相次ぐ家族の死に打ちのめされた彼は、自らの悲哀を投影するため、極限の身体表現を伴う本作の制作へと向かいました。

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