The First Mourning 最初の手向け
1888年

- 寸法
- 203 × 250 cm
- 技法・素材
- キャンバスに油彩
- 所蔵
- アルゼンチン国立美術館
✦ 見どころ(技法・色彩)
アダムの陽に焼けた暗い褐色の肌と、イヴの象牙のように白い肌が強烈なコントラストを生み出しています。三人の人物はミケランジェロやラファエロに由来する古典的なピラミッド型の構図を形成し、完璧な彫刻的調和を見せています。アベルの遺体は凄惨な傷跡を排し、理想化された美しさで描かれています。
✦ この絵の舞台
旧約聖書創世記に登場する、エデンの東の冷たく荒涼とした大地です。遠景には神の祝福を受けたアベルの生け贄の祭壇から白い煙が立ち上り、不穏な灰色の嵐の雲と交じり合っています。手前の乾いた大地には、人類史上初の殺戮行為を告発するかのように、流された血が赤暗い小さなシミとなって描かれています。
✦ 時代背景
1880年代のパリ・サロンにおいて、このような巨大な悲劇の歴史画は、画家の技量と解剖学的知識を示す最高峰のジャンルとみなされていました。ブグローは自身の完璧な古典的教養を用いて、アダムとイヴが子供の死に直面した哀しみの瞬間を、演劇的かつ壮大に構築しました。
冷たく荒涼とした大地に、三人の男女がいます。男は心臓の上に手をかざし、静かに苦悶の表情を浮かべています。
女はその腕にすがりつき、顔を完全に覆い隠して泣き崩れています。彼らの足元には、一人の若者が力なく横たわっています。
遠くの空には不穏な灰色の嵐の雲が立ち込め、細い煙が上っています。手前の乾いた土には、赤暗い小さな血のシミが残されています。
これは旧約聖書に記された、人類最初の悲劇の場面です。エデンの東で起きた、兄カインによる弟アベルの殺害。人類最初の両親であるアダムとイヴが、息子の死に直面した瞬間です。
1888年のパリ・サロンで発表されたこの作品は、画家の圧倒的な技量と解剖学的知識を示すアカデミズムの最高峰とされました。幅2.5メートルにも及ぶ巨大なキャンバスに描かれた、壮大な歴史画です。遠景の煙は、神の祝福を受けたアベルの生け贄の祭壇から立ち上るものです。
神話の世界を劇的に描き出した、完璧で美しい宗教画。一見すると、そのように思えるかもしれません。でも実は、この絵の根底には、ある痛切な事実が横たわっています。
画家自身の、引き裂かれるような死の体験です。
1877年の春のことでした。ブグローは最初の妻であるネリーを病で失います。結核でした。
悲劇はそれだけでは終わりません。わずか2ヶ月後の、同じ年の6月。乳児であった次男のモーリスまでもが、同じ病でこの世を去ってしまったのです。
- この作品は 悲哀の詩人 の「あなたのための6作品」に入っています → 見る
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