Noanoa Pl.47
版画

- 寸法
- 18.2 × 20.5 cm
- 技法・素材
- 木版画、エンボス加工(浮き彫り刷り)、手彩色水彩、紙
- 所蔵
- オルセー美術館(パリ)ほか
洗練され形骸化した西洋美術の技法と文明社会に対する、強烈な反逆。病床での肉体的な苦痛と絶望の中で、自らの精神をタヒチの聖域へと飛翔させ刻みつけた、切実な魂の叫び。
✦ 見どころ(技法・色彩)
伝統的な彫刻刀だけでなく、ガラス片や粗いナイフ、紙ヤスリを用いて版木の表面を物理的に傷つけ、削り取る画期的な技法が採用されています。これにより、印刷面には削り取られた細かい木屑の線条や凹凸が残り、版画でありながら浅い浮き彫りのような物理的な奥行きが生み出されています。
✦ この絵の舞台
タヒチ島中央部に聳え立つアオライ山やオロヘナ山の山中に存在する密林の奥深くが舞台です。古代ポリネシア人が神々への生贄や儀式を執り行っていた宗教的聖域「マライ」が表現されています。ゴーギャンがタヒチ人の青年ジョテファとともに、彫刻用の木材を求めて行った山中遠征の最高潮の場面に対応しています。
✦ 時代背景
1894年春、フランスに帰国していたゴーギャンは、コンカルノーで水夫たちとの乱闘事件に巻き込まれ、右足の踝を骨折する重傷を負いました。モルヒネとアルコールに依存し、ベッドに縛り付けられた肉体的苦痛と絶望の中で、彼は自らのタヒチでの遠征記憶を神秘化させ、病床で版木に向かいました。

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出典・参考資料
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