Noanoa Pl.43
家族神話

- 寸法
- 18.2 × 20.3 cm
- 技法・素材
- 灰白色–アイボリー色中国紙(China paper)または和紙に黒インクの木版画
- 所蔵
- シカゴ美術館 / ノルウェー国立美術館
西洋の精密な版画規範への強烈な反逆。病床の痛みの中でタヒチの記憶を荒々しく削り出し、普遍的な生命の循環と宇宙創世の神話を刻みつけた、魂の叫び。
✦ 見どころ(技法・色彩)
従来の精密な木口木版の規範を破り、板目木版の表面を鑿や小刀、やすりを用いて不規則に削り取る独自の手法が用いられています。1921年の後刷り版では、繊細な灰白色の中国紙に漆黒のインクで均一に凹凸が転写され、木の削り痕が抽象的なテクスチャーとして生かされています。
✦ この絵の舞台
タヒチ島南部のマタイエア村沿岸部、およびゴーギャンが構想した架空のポリネシア古代聖域(マラエ)が舞台です。キリスト教の創世記やヒンドゥー教、仏教のモチーフを混交させ、普遍的な宇宙創世と生命循環の神話を再構築した空間が広がっています。
✦ 時代背景
1893年にタヒチからパリへ帰国したゴーギャンは、自身の芸術を理論的かつ文芸的に補完するため『ノアノア』の執筆と版画制作を開始しました。1894年の骨折による療養生活の中で、油彩画に代わり木版画の制作に没頭した時期にあたります。

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出典・参考資料
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