Junius
1896年
象徴主義ウィーン分離派

- 寸法
- 41.6 × 31 cm
- 技法・素材
- 紙に鉛筆、黒チョーク、不透明水彩、貝粉黄金
- 所蔵
- ウィーン市立美術館
伝統的なアカデミズムの枠組みを打ち破る、新たな幾何学様式への挑戦。後の黄金の時代へと繋がる装飾美と、象徴主義への深い傾倒を刻み込んだ静かなる宣言。
✦ 見どころ(技法・色彩)
チョークと鉛筆による緻密な線描と、漆黒に近い背景の対比が見どころです。画面の要所には貝殻の粉で作られた黄金と不透明水彩の白が使われ、幽玄な光を放っています。画面を垂直と水平の線で区切り、中央に正方形を配置する構成は、クリムトにとって初の試みでした。
✦ この絵の舞台
古代ローマの暦における6月を象徴する寓意的な空間です。特定の現実の風景ではなく、権力や内的沈思、生の変容といった象徴的なテーマが、幾何学的な枠組みの中に配置されています。中央の女性の横顔の周囲には、王冠を戴く男性像の薄い輪郭線や古典的な植物文様が複層的に描かれています。
✦ 時代背景
1896年のウィーンは、伝統的なアカデミズムから近代的な象徴主義へと芸術が大きく変化しようとしていた時期です。クリムト自身も歴史主義的な装飾画家からの脱却を図っており、翌1897年の「ウィーン分離派」結成へと向かう、まさに時代の転換点にありました。

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出典・参考資料
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