Fiero monstruo

1863年

戦争版画
Fiero monstruo
寸法
175 x 216 mm
技法・素材
エッチング、ドライポイント、ビュラン
所蔵
カルコグラフィア・ナシオナル

18世紀末から19世紀初頭にかけてスペイン宮廷で活躍し、伝統的な宗教画や肖像画のルールを解体した画家。

戦争という圧倒的な暴力と、人間社会を破壊し尽くす不条理への強烈な絶望。逃れられない死の概念と、圧倒的な破壊の暴威を刻みつけた、黙示録的な総括。

✦ 見どころ(技法・色彩)

エッチングに加え、ドライポイントと彫刻刀による密度の高い網状の線描が施されています。これにより、怪物の皮膚の不気味な質感と、口から吐き出される犠牲者たちの青白い肉体との残酷な明暗対比が強調されています。

✦ この絵の舞台

具体的な地理的背景や空間的奥行きが削ぎ落とされた、暗く抽象的な空間です。現実の戦場ではなく、「戦争」という存在そのものが人間社会を破壊し尽くす抽象的な暴威として概念化された、黙示録的な舞台が描かれています。

✦ 時代背景

1820年から1823年の「自由主義の三年間」の末期に制作されました。スペイン独立戦争の終結後も続いた政治的混乱と抑圧の中、ゴヤは連作全体を締めくくる黙示録的な総括として、この絶望的な情景を描き出しました。

✦ 鑑賞のための問い

怪物の口から吐き出される人々は、この暗闇の中でどこへ落ちていくのでしょうか?

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