El buitre carnívoro

1863年

戦争抵抗版画
El buitre carnívoro
寸法
177 × 221 mm
技法・素材
エッチング、ビュラン、ドライポイント、バーニッシャー
所蔵
国立銅版画館

18世紀末から19世紀初頭にかけてスペイン宮廷で活躍し、伝統的な宗教画や肖像画のルールを解体した画家。

✦ 見どころ(技法・色彩)

エッチングを骨格としつつ、ビュランやドライポイントの力強い線でハゲワシの影や農夫の輪郭を補強しています。地表には偶然生み出されたアクアチント風の質感が広がり、人物や空には研磨器を使って白く輝くハイライトが与えられています。画面中央の巨大な対象が左右に広がるピラミッド状の構図が、ダイナミックな動きを生み出しています。

✦ この絵の舞台

特定の地理的背景を持たない、抽象的な野外の空間が舞台です。巨大なハゲワシがパニック状態で逃走し、背後から農夫がピッチフォークを構えて猛然と追い詰めています。後方には、この情景を見守り、あるいは逃げ惑う大勢の群衆が広がっています。具体的な戦闘の場所を排することで、普遍的な暴力とその死滅を描き出す効果を生んでいます。

✦ 時代背景

1808年から1814年にかけてのスペイン独立戦争、そしてその後のフェルナンド7世による絶対王政復古期が背景にあります。フランス軍の過酷な侵略と、それに続く自国の復古政権による自由主義者への弾圧。ゴヤは厳しい検閲を恐れ、生前にはこの版画を公刊できませんでした。作品が世に出たのは、彼の死後35年が経過した1863年のことです。

✦ 鑑賞のための問い

逃げ惑う巨大な鳥と、それを追う農夫。あなたはこの光景からどんな音を想像しますか?

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