Mère et enfant
1941年
戦争

- 寸法
- 20.2 x 15.5 cm
- 技法・素材
- 白紙に鉛筆
- 所蔵
- ジュリオ・ゴンサレス財団(パリ) / 一部個人蔵
✦ 見どころ(技法・色彩)
色彩を完全に排除し、白紙の上に硬質の鉛筆だけで濃密に描かれたモノクロームの作品です。子供を抱きかかえる母親の閉じた輪郭線と、身体を覆う無数の鋭い平行線(ハッチング)が交差しています。鉄を奪われた彫刻家が、まるで鉄の溶接棒を紙に走らせるかのように鉛筆を使い、光と影を削り出している点が見どころです。
✦ この絵の舞台
パリ近郊アルクーイルのアトリエが舞台です。1941年、ドイツ占領下のフランスにおいて、ゴンサレスは家族と引き裂かれ、このアトリエに孤立していました。戦火の脅威が身に迫る中、外の世界との接触を最小限に抑えながら極限の精神状態で制作に没頭した閉鎖的な空間が背景にあります。
✦ 時代背景
1941年は第二次世界大戦の最中であり、フランスはナチス・ドイツの占領下にありました。彫刻に不可欠な金属資源やアセチレンガスは軍需資材として没収され、ゴンサレスは鉄彫刻の制作を断念せざるを得ませんでした。また、反ナチス主義者であった義理の息子が亡命を余儀なくされるなど、ヨーロッパ全体が暴力に支配されていた時代です。

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