The Finding of Moses モーセの発見
1904年

ヴィクトリア朝のイギリスを代表する画家であり、王立芸術院(ロイヤル・アカデミー)会員。オランダで生まれ、後にイギリスへ移住して同国に帰化した。
ナイル川の岸辺を練り歩く、華やかな祝祭の行列。 透き通るようなピンクの衣装をまとったファラオの娘が、神官たちの担ぐ豪奢な輿の上から穏やかな微笑みを浮かべている。 手前には色鮮やかな青いデルフィニウムが咲き乱れ、ピンクのリボンと蓮の花で飾られたゆりかごには、川で拾われたばかりの赤子(モーセ)の姿がある。
古代エジプトのきらびやかな情景を切り取ったようなこの作品。でも実は、この絵は画家ローレンス・アルマ=タデマの、狂気とも言える「完璧主義」と執念の結晶だった。
1902年、アスワン・ダムの開通式に招かれてエジプトを訪れた彼は、その地の歴史的魅力にすっかりとりつかれてしまう。 もともと歴史的考証への執着が強かった彼は、大英博物館などに通い詰めて古代の遺物を徹底的に研究した。宝飾品から椅子の装飾、背後に見えるヒエログリフに至るまで、考古学的な正確さを求めて画面の隅々に本物のディテールを詰め込んだのだ。
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