Bordighera ボルディゲラ

1884年

印象派
Bordighera
寸法
64.8 × 81.3 cm
技法・素材
キャンバスに油彩
所蔵
シカゴ美術館
クロード・モネ

フランス

クロード・モネClaude Monet

1840 – 1926

「印象派の父」とも称される、フランスを代表する画家。 自然の風景や水面に反射する光、天候によって絶えず移り変わる情景を、鋭敏な感覚でキャンバスに捉えた作風で広く…

✦ 見どころ(技法・色彩)

あらかじめ明るいクリーム色の地塗りが施されたキャンバスが使われています。モネはこの明るい下地を活かし、絵の具を塗らずに「塗り残す」ことで建物のハイライトを表現しました。また、樹皮を照らす強い光は、白い絵の具を厚く盛り上げて垂直に引きずるように描かれています。左下のサイン周辺では、絵の具が乾く前に別の色を重ねて混ぜ合わせる技法が使われており、現場での素早く熱気あふれる制作過程が伺えます。

✦ この絵の舞台

イタリアのリヴィエラ海岸、フランス国境に近い避暑地ボルディゲラが舞台です。モネは街の背後にそびえる丘の頂上近くにイーゼルを据えました。画面中央下に見えるのは、サンタンペリオ岬に位置する歴史的な旧市街「チッタ・アルタ(高地街)」です。手前には地元の野生の松が巨大なスクリーンのように広がり、その隙間から陽光に包まれた白い建物と地中海が覗く、起伏に富んだ景観が描かれています。

✦ 時代背景

1880年代、モネは印象派の仲間たちと距離を置き、新たな表現を模索して各地へ制作旅行に出かけていました。1883年末のルノワールとの旅行を経て、1884年に単身でボルディゲラを訪れます。北フランスの穏やかな気候とは異なる、地中海の強烈な太陽光とエキゾチックな亜熱帯の植生との出会いは、モネの色彩感覚に大きな衝撃を与え、その後の画風を劇的に変化させる契機となりました。

✦ 鑑賞のための問い

手前のうねるような松の幹と、奥に見える明るい街並み。あなたはどちらに強く惹きつけられますか?

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