Head of an Old Man with Beard 髭のある老人の頭部

1902年

表現主義
Head of an Old Man with Beard
寸法
46.0 × 32.5 cm
技法・素材
カラー木版画、紙
所蔵
シカゴ美術館
エドヴァルド・ムンク

ノルウェー

エドヴァルド・ムンクEdvard Munch

1863 – 1944

19世紀末から20世紀前半にかけて活躍した、ノルウェーを代表する画家。

✦ 見どころ(技法・色彩)

黒と赤の2色で構成されたカラー木版画です。老人の深い皺や長い髭は、板を深く大胆に彫り下げた彫刻刀の跡によって強調されています。紙に刷り込まれた粗い板の木目が、長年の風雪に耐えた老人の皮膚の質感と重なり合っています。

✦ この絵の舞台

具体的な風景は描かれていませんが、モデルとなったのは過酷な北海での漁業に従事する老漁師たちです。厳しい気候の中で生きてきた彼らの顔に刻まれた深い皺は、ムンクにとって「人間の不屈の精神性」を表す普遍的な舞台そのものでした。

✦ 時代背景

1902年、ムンクの芸術的評価はベルリン・セセッション展での展示によってヨーロッパ全域で頂点に達しつつありました。しかし私生活では恋人との愛憎劇の末に拳銃暴発事件を起こし、左手中指を失うという深いトラウマを負った時期でもあります。

✦ 鑑賞のための問い

この老人は、今どんな感情を抱いてこちらを見つめていると思いますか?

暗闇の中から、一人の老人の顔が浮かび上がっています。
深く刻まれた眉間の皺と、長く伸びた髭。
背景には、鮮烈な赤い色が広がっています。

1902年。
画家エドヴァルド・ムンクは、ヨーロッパ全土で名声を高めていました。
ベルリンでの展覧会が成功を収めます。
芸術家としての評価は頂点に達しようとしていました。

しかし、彼の私生活は悲劇に塗れていました。

長年交際していた恋人、トゥラ・ラーセン。
彼女との関係は、激しい愛憎劇へと発展していました。
そしてこの年の秋、オスゴールストランドの別荘で事件は起きました。

拳銃の暴発。

この事故により、ムンクは左手中指の第一関節を失います。
画家にとって、指を失うという肉体的な痛み。
それ以上に彼を苦しめたのは、自己の崩壊でした。
死への恐怖。
そして、他者への深い不信感。
彼の精神は、癒えることのない深いトラウマを負いました。

この続きは無料登録で読めます

この続き:約320文字

名画と名曲の物語を、無料で読む

Google で続きを読む
または

登録すると利用規約・プライバシーポリシーに同意したものとみなされます

すでに登録済みの方はログイン

あなたのノート

この絵画から感じたことを、美術手帳に残しておきましょう。

ノートを書くには登録が必要です。

無料で登録する

出典・参考資料

内容に誤りがある場合は こちらからご報告ください

このサイトは reCAPTCHA によって保護されており、Google のプライバシーポリシーと利用規約が適用されます。

音楽とアートが、
あなたを待っている。

芸術の物語を通じて自分だけの世界を広げていこう。
最新記事の更新をメールでお知らせします。

無料登録で読む