The Slave Ship 奴隷船

1840年

ロマン主義海
The Slave Ship

画像: Wikimedia Commons / Public Domain

寸法
90.8 × 122.6 cm
技法・素材
油彩・カンヴァス
所蔵
ボストン美術館

19世紀の美術史において風景画を歴史画と同等の次元へと引き上げ、のちのモダニズムや抽象絵画の源流となったロマン主義の画家である。

物質主義的強欲と奴隷貿易の非人道性を告発するとともに、自身も金融資本主義に関与していた罪悪感を投影し、人間の過ちに対する自然の審判を描き出した。

✦ 見どころ(技法・色彩)

画面の約3分の2を占める天空と水平線低くに位置する太陽の放射状の光線が視線を誘導する。夕日の黄やオレンジと、水面に散った血の赤が混ざり合い、非現実的な色彩の充溢を生み出している。手前の海面には、あえて沈まずに描かれた鉄鎖や足枷が見える。

✦ この絵の舞台

大西洋の「中道航路(Middle Passage)」の洋上。日没の時刻、巨大な黒雲が渦を巻き台風が接近する情景。

✦ 時代背景

18世紀末から19世紀半ばにかけての大英帝国における奴隷制廃止運動の盛り上がり。1781年の「ゾング号事件」や1840年の「世界奴隷制廃止会議」が背景にある。

✦ 鑑賞のための問い

美しい夕日と残酷な惨劇が同居するこの海を見て、あなたは何を感じますか?

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