A Woman and Two Men in an Arbor (ca. 1657–58)

風俗画
A Woman and Two Men in an Arbor (ca. 1657–58)
寸法
44.1 cm × 37.5 cm
技法・素材
油彩、木板
所蔵
メトロポリタン美術館

暗調な軍隊画から光あふれる風俗画への、決死のスタイル転換。生き残りを懸けて遠近法と格闘した、過渡期の試行錯誤と光への渇望。

✦ 見どころ(技法・色彩)

女性のジャケットや男性のズボンにあしらわれた鮮やかな朱赤が、緑の葉影や木材の暖色系褐色と美しい対比を生み出しています。頭上の蔓植物から漏れ差し込む自然光が、衣服の縁取りやガラス器に柔らかく反射する光彩表現が見どころです。また、この作品はデ・ホーホが中央透視図法を完全にマスターする直前の過渡期に位置し、背景への視線の抜けがない限定された空間描写が特徴です。

✦ この絵の舞台

デルフトの街中に存在する個人邸宅の中庭、または居酒屋の裏庭に置かれたブドウ棚の東屋が舞台です。蔓植物に覆われた限定された空間の中で、赤いジャケットを着た女性がワイングラスとピッチャーを持ち、クレイパイプをふかす男性に乾杯を捧げようとしています。奥の暗がりには3人目の男性の顔がうっすらと描かれています。

✦ 時代背景

17世紀オランダ黄金時代、デルフトではヨハネス・フェルメールらデルフト派の画家たちが活躍していました。当時のオランダ画壇は競争が激しく、画家たちは自らのスタイルを確立する必要に迫られていました。デ・ホーホもまた、1650年代前半に暗調な軍隊風俗画から、中庭での歓談や静謐な家庭の営みを主題とする新しいスタイルへと転換を図った時期にあたります。

✦ 鑑賞のための問い

暗がりに沈む3人目の人物は、二人の会話をどんな思いで聞いているのでしょうか?

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