The blind man 盲人

1910年

象徴主義肖像画
The blind man
寸法
58 × 39 cm
技法・素材
キャンバスに油彩
所蔵
アントワープ王立美術館(ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館寄託)

20世紀前半のベルギーにおいて、印象主義的な光の描写を真っ向から拒絶し、独自の静密な内省的世界を確立した画家である。

✦ 見どころ(技法・色彩)

極限まで接近した構図が特徴です。深いシワが刻まれ、耳毛まで緻密に数えられるほど冷徹に描き込まれた老農民の姿が捉えられています。男性の固く閉ざされた眼は、外面的な世界を遮断し、自身の内なる世界へ沈潜する内的境地を表現しています。

✦ この絵の舞台

背景の右下に小さく描かれた藁積みの山が、この人物が土地を耕して生きる農民であることを示しています。しかし、人物は風景の中に埋没することなく、絵画の表面の極めて近くに配置されています。現実的な場所性を超えた、象徴的な空間が創出されています。

✦ 時代背景

1910年、画家はラーテムを離れ、一時的にルーヴェンに住み、その後ティエヘムへと移り住みました。この時期に彼は、ラーテムで親しく接した貧しい農民たちの容貌を記憶の中から呼び起こし、象徴主義的な肖像画として再構成する連作に着手しました。

✦ 鑑賞のための問い

固く閉ざされたまぶたの奥で、彼は何を見つめているのでしょうか?

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