Bière du Fort-Carré. Saint-Dizier フォール=カレのビール:サン=ディジエ
1907年

- 寸法
- 約100 x 140 cm
- 技法・素材
- 石版画(リトグラフ)、紙
- 所蔵
- パリ市歴史博物館カルナヴァレ、ヨーロッパ・ビール博物館 等
✦ 見どころ(技法・色彩)
暗闇の背景から強力な暖色を浮き上がらせる手法が見どころです。全体を支配する宮廷ガウンのイエロー、グラスの泡の純白、そして男性の赤ら顔という限られた配色が、完全にフラットな黒背景によって劇的に押し出されています。当時のカラー石版印刷技術の限界を逆手にとり、最高度の視認性を実現した色彩設計です。
✦ この絵の舞台
フランス北東部サン=ディジエにあるフォール=カレ醸造所が舞台背景です。1796年設立の同社は、城砦のような赤レンガの近代建築を誇る巨大なビール工場でした。しかしカッピエッロは工場の実景を描かず、醸造所の心臓部である大量の木製貯蔵樽を積み重ね、その前にアイコニックな人物を配置する抽象的な空間を作り上げました。
✦ 時代背景
1907年は、フランスのビール産業が地方の手工業から、鉄道網の発展に伴う大規模な都市間物流へと移行した時代でした。各醸造所はパリの街頭で激しい広告展開を競い合っていました。同年、カッピエッロは「ポスターの目的は記憶に残る単一の強力なキャラクターを提示することだ」という画期的なポスター論を公表しています。

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