Valle Buona, Near Bordighera ヴァレ・ブオナ、ボルディゲーラ近郊
1884年

- 寸法
- 64.45 x 91.44 cm
- 技法・素材
- キャンバスに油彩
- 所蔵
- ダラス美術館
✦ 見どころ(技法・色彩)
空気遠近法をほぼ放棄し、手前の植物から遠景の山まで極めて高彩度な色調を並置しています。空の淡いピンクやピーチトーンに対し、谷の陰影や岩肌にはロイヤルブルーやライラック色といった冷淡な対比色を用い、視覚的な振動効果を最大化しています。厚塗りによるダイナミックな筆使いも特徴です。
✦ この絵の舞台
イタリアのリヴィエラ海岸、フランス国境に近い避暑地ボルディゲーラ近郊の「ヴァレ・ブオナ(美しい谷)」です。左側にはエキゾチックな地中海の植生が密集する谷底が広がり、右上の岩山の頂きには、標高1,000メートルのカッジョ山の斜面に形成された山岳集落サッソの家影が見えます。
✦ 時代背景
1884年、モネがルノワールに促されて人生初の地中海沿岸への本格的な描写旅行を行った時期です。北フランスの気候とは異なる、地中海の過酷なまでに直接的な太陽光と強烈な色彩飽和に直面し、モネの伝統的な色彩認識が根底から打ち砕かれ、新たな表現へと向かう転換点となりました。
画面の左側には、エキゾチックな植物が密集する谷底が広がっています。
右上の岩山の頂きには、白く小さな家影が浮かび上がっています。
時は1884年。
クロード・モネは、人生で初めて地中海沿岸へとやって来ました。
ピエール=オーギュスト・ルノワールに促されての、描写旅行でした。
当初は、ルノワールと共に出発した旅。
しかし、モネは一人で静かに制作に没頭することを望みました。
ボルディゲーラの静かなホテルに、居を定めます。
そこで彼を待っていたのは、圧倒的な視覚の過負荷でした。
北フランスの鈍い空気とは、根底から異なる世界。
過酷なまでに直接的な太陽光。
オリーブやパームツリー、サボテンといった肉厚な植生が放つ強烈な色彩の飽和が、モネの目を襲いました。
彼の伝統的な色彩認識は、打ち砕かれます。
この強烈な光を、どうやってキャンバスに写し取るのか。
モネは激しい困難を感じていました。
この続き:約446文字

おすすめの絵画
出典・参考資料
ほかの画家
内容に誤りがある場合は こちらからご報告ください
このサイトは reCAPTCHA によって保護されており、Google のプライバシーポリシーと利用規約が適用されます。



















