Mit rotem Kreis I 赤い円を伴って I

1951年

Mit rotem Kreis I
寸法
65 × 81 cm
技法・素材
ハードボード(硬質繊維板)に油彩、合成樹脂、砂
所蔵
ドイツ南部個人蔵

✦ 見どころ(技法・色彩)

三次元的な奥行きを排除した平らな画面が特徴です。白い絵の具に砂を混ぜることで、風化した漆喰壁のようなざらついたテクスチャーを作り出しています。その不穏な背景の上に、完全な赤い円や、青、緑、黄色のクリアな幾何学的形態が黒い線で連結されて浮かび上がります。カオスと秩序の調和が見どころです。

✦ この絵の舞台

実在の風景ではなく、万物の内奥に宿る「コンプレックス(複合体)」としての超個人的な調和の世界が舞台です。バウマイスターが生涯収集していたアフリカの部族仮面や木彫が持つ、魔術的で原始的な生命のシンボリズムが背景にあります。モロッコの港町エッサウィラの旧称にちなむ「モガドール」シリーズの先駆となる世界観が展開されています。

✦ 時代背景

1951年の西ドイツは、東西冷戦構造の顕在化に伴い、文化的アイデンティティの再確立を迫られていました。ナチスによる弾圧を生き抜いたバウマイスターは、再設立された「ドイツ画家同盟」の理事として、戦後初の記念碑的展覧会を最前線の都市ベルリンで開催します。本作はその展覧会のために制作されました。

✦ 鑑賞のための問い

ざらついた白い背景の上に、あなたはどんな物語を想像しますか?

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