The Mother and Sister of the Artist

1869年

印象派家族肖像画
The Mother and Sister of the Artist
寸法
101.0 × 81.8 cm
技法・素材
油彩、カンヴァス
所蔵
ナショナル・ギャラリー(ワシントンD.C.)
ベルト・モリゾ

フランス

ベルト・モリゾBerthe Morisot

1841 – 1895

19世紀フランスを代表する印象派の女性画家であり、同グループの創設メンバーの一人。

アカデミックなサロンへの、女性の私的空間からの堂々たる挑戦。自らの芸術的自律を証明しようとカンヴァスに向かった、若き画家の野心と葛藤。

✦ 見どころ(技法・色彩)

画面手前の母親は、エドゥアール・マネが加筆した大胆で素早い「黒のリアリズム」の筆致で描かれています。一方、奥の姉エドマやソファの模様には、光を細かく分割するモリゾ本来のデリケートなタッチが残されています。二つの異なる筆致が同一画面でせめぎ合う、スリリングな対比が見どころです。

✦ この絵の舞台

パリ16区の高級住宅地パッシー地区、フランクリン通りにあったモリゾ家の実家の居間です。エレガントな脚のテーブル、紫色の花が生けられたガラスの花瓶、豪華な布張りのソファなど、ブルジョワジーの格式ある調度品が描かれています。洗練された日常の空間が、そのまま絵画の舞台となっています。

✦ 時代背景

1869年から1870年にかけて制作されました。当時のサロン(官展)では歴史画や宗教画が優位を占めており、女性画家への風当たりは極めて冷ややかな時代でした。女性の行動範囲が制限される中、モリゾは私的な家庭空間を舞台に選び、自らの芸術的野心をカンヴァスにぶつけました。

✦ 鑑賞のための問い

手前の母親と奥の姉、二人の間にどのような空気が流れていると感じますか?

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