Portrait of Freda Wermel in Spanish costume スペイン衣装のフリーダ・ウェルメルの肖像
1946年
表現主義肖像画

- 寸法
- 75 x 52.3 cm
- 技法・素材
- キャンバスに油彩
- 所蔵
- 個人蔵
✦ 見どころ(技法・色彩)
キャンバスに叩きつけるような、太い平筆によるインパスト(厚塗り)が特徴です。対象を写実的に再現するのではなく、画家の「生への意志」を物質的に定着させるかのような、スピード感あふれる幅広いストロークが用いられています。青い衣装と赤い装飾品の鮮烈なコントラストが、モデルの持つ生命力と、画家が取り戻した色彩の自由をダイナミックに伝えています。
✦ この絵の舞台
1946年のベルリン。第二次世界大戦の激しい空襲と地上戦によってインフラのすべてが破壊され、見渡す限り瓦礫の山と化した廃墟の街です。ペヒシュタインの再建されつつあった一時アトリエが物理的な制作場所ですが、絵画が内包する精神的な舞台は、モデルがまとう衣装が示す通り、荒廃した現実を超越したエキゾチックな南欧の伝統と、華やかな劇場のファンタジー空間です。
✦ 時代背景
1946年のドイツは、ナチス政権の崩壊と敗戦を経て、連合国による分割占領下にありました。厳冬の寒さと飢餓が人々を襲い、日々の生活は過酷な生存闘争でした。一方で、12年に及ぶ「退廃芸術」としての弾圧から解放された前衛芸術家たちは、物資が極度に不足するなかでも、アメリカ軍事使節団などからの支援を受けながら、失われた表現の自由と精神的な再生を模索し始めていた過渡期です。

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出典・参考資料
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