Lotte with Headscarf 頭巾を被ったロッテ
1919年
表現主義肖像画

- 寸法
- 88 × 62.5 cm
- 技法・素材
- 油彩・キャンバス
- 所蔵
- 個人蔵
✦ 見どころ(技法・色彩)
背景や白いブラウスが極めて抑制された淡いトーンで描かれているのに対し、顔の肌色や頭巾には、チューブから直接押し出されたかのような強烈な原色が用いられています。この劇的な色彩のコントラストと、一瞬の印象をキャンバスに定着させるスピーディーで大胆な筆さばきが、視覚的な輝きを生み出しています。
✦ この絵の舞台
特定の室内や調度品は完全に排除され、不定形な色彩空間として処理されています。現実の空間を忠実に再現するのではなく、純粋な色彩の広がりを描くことで、モデルであるロッテの肉体的な存在感と精神的なダイナミズムを前景へと引き出しています。画家が求めた精神的な安息の場が、この抽象的な背景に表現されているのかもしれません。
✦ 時代背景
1919年のドイツは、第一次世界大戦の敗戦による帝政崩壊と、ワイマール共和国の成立という極度の政治的混乱の中にありました。ペヒシュタイン自身も凄惨な戦場体験を経ており、政治的な前衛闘争の傍らで、精神的な安息の場としての「家庭」や「最愛のパートナー」への回帰が極めて切実な問題となっていました。

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